園芸用のものもあることで話題になったケシの花、麻薬の一種・アヘンの原料となる「ケシ」が静岡県で自生しているのが見つかったというのを皆さんはご存知でしょうか。しかも見つかった品種は愛知県にゆかりがあるとされています。今回は意外と知らずに育ててしまっているかもしれないケシの花の見分け方についてご紹介します。
ケシとは
ケシは、ケシ科ケシ属に属する一年草の植物で、ケシの花とポピーの違いと聞いて一緒のように思っている方も多いようですが、「ケシ」は英語のpoppy(ポピー)と同義とされていますが、英語ではpoppyといえばイギリス各地に自生している、園芸種としても盛んに栽培されているヒナゲシのcorn poppy(コーン・ポピー)を指しています。日本語でケシといった場合は、それが種指定をも包含している場合はもっぱら本種を指しています。英語では本種をopium poppy(オピウム・ポピー)と呼び、poppyとは明確に区別されていることを理解しておきましょう。日本ではopium poppyなどopium産生植物はアヘン法で栽培が禁止されている種に指定されているため、政府の許可を得ずして栽培してはいけません。
植えてはいけない「ケシの花」
ケシの仲間のケシ属植物は、春から初夏にかけて色鮮やかで美しい大きな花を咲かせるものが多く、ガーデニングや切り花用として人気がありますが、ケシの仲間には麻薬成分を含むものがあり、たとえ観賞用であっても法律で栽培が禁止されているものもありますので、栽培する際は十分注意する必要があります。
ケシの花の見分け方
ケシの仲間は非常によく似ています。しかし、外観の特徴から園芸用のケシと区別することができます。見分け方として、違法なケシは茎を抱きこむように葉っぱが生えており、植えてもいいケシなら、茎を抱き込むような葉っぱはないと言われています。また、形も違法なケシの葉っぱはノコギリ状になっていて切れ込みは浅くなっているそうです。
セティゲルム種
アツミゲシなどを指し、花は花びら4枚で色は薄紫や赤があります。開花期の草丈は50cm〜100cmで葉、茎、つぼみなどの外観は緑色でよく枝分かれ(分枝)しています。ソムニフェルム種よりも毛が多くて、つぼみの表面やつぼみの下の茎(花梗)には毛があります。葉は互い違いに茎についており、上部の葉は柄がなく、その基部は茎を抱き込むような形をしています。
ソムニフェルム種
一重咲きの花は、花びら4枚で色は赤、桃、紫、白などがあり、多数の花びらがついた八重咲きの花もあります。開花期の草丈は100cm〜160cmで、花が終わると雌しべが発達してふくらみ、楕円または球形で、上部が平たい皿のような形をした大きな果実(長さ3~7cmくらい、径3~6cmくらい)になります。葉は互い違いに茎についており、上部の葉は柄がなく、その基部は茎を抱き込むような形をしています。
まとめ
園芸としても人気のあるケシの花、しっかりと理解して育てないと違法で見つかり逮捕される可能性もあります。しっかりと特徴を理解し、もし知らずに育てていたら相談窓口などに相談して処分するようにしましょう。