皆さんは「NFTスポーツ」なるものをご存知でしょうか。実は、このNFTスポーツに日本のスポーツ界も少しずつ参戦しているのです。
今回は、NFTスポーツをメインの題材とし、今話題沸騰中のあの作品にも触れていきます。
NFTについて
NFTとは「Non-Fungible Token」の略語で、直訳すると「代替不可能なトークン」と言う意味になります。
「代替不可能」とはどういう意味なのでしょうか。これまでデジタルデータはコピー・複製、データの改ざんなどが容易でできてしまうために、それ単体で価値を持つことが出来ませんでした。しかし、NFT技術の登場で、デジタルデータに唯一無二の価値を付与することができるようになりました。要するに、複製・改ざんが出来なくなったのです。
このように複製・改ざんが容易ではなくなったのには、ブロックチェーンの技術がNFTに応用されているという理由があるのです。NFTの登場により、様々なデジタルデータが価値を持ち、市場で取引が可能となりました。
NFTアートとは
NFT技術を用いたデジタルデータの一つに「NFTアート」があります。NFTアートとは、その名の通り、NFTにより唯一無二の価値を与えられたデジタルアートのことです。
かの有名な「モナリザ」がこの世でたった一つの価値を持つようにデジタルアートもまたこの世でたった一つの価値を与えられているのです。「アート」と一口に言っても様々で、24×24サイズのドット絵で作られたフルオンチェーンのNFTアートやシンプルなイラストなどが代表的でしょう。
NFTアートの最大の特徴は、何と言っても二次流通であっても大元の作者に利益の一部が還元されることです。NFTアートにはブロックチェーンの技術によって、その作品自体に印鑑を押したように、作者の痕跡が残ります。そのため、どこまで転売が進んでいっても元を辿れると言う訳です。
NFTスポーツとは
NFTアートと同様にNFTの技術を用いたものに「NFTスポーツ」と言うものがあります。NFTスポーツは、今非常に話題になっているのでその一部の事例をご紹介します。
事例①:メッシ
事例の一つ目は、アルゼンチンのスーパースター「リオネル・メッシ」です。
「Messiverse(メッシバース)」と名付けられた今回のコレクション作品は、デジタルデザイナーのBossLogic(ボスロジック)氏によって彼のイメージで作成されたNFT(非代替トークン)コレクションです。これは、スポーツスター向けでオリジナルのNFT作品を制作することで知られる「EthernityChain」プラットフォームで購入が可能です。
事例②:Topps MLB NFT
二つ目の事例は「Topps MLB NFT」と呼ばれるものです。Topps MLB NFTは、アメリカのカードゲーム会社のToppsとMLBが共同で開発したトレーディングカードゲームです。
Topps社が行ってきたモバイルアプリでのデジタルコレクションの延長線上として今回のNFT事業が始動しました。人々の記憶に残るような名シーンがコレクションとしてNFT化されているのです。
事例③:NFTゲーム「Sorare」
最後にご紹介するのが、NFTゲーム「Sorare」です。「Sorare」は、2018年にサッカーファンによって作られたSorare社が運営しているブロックチェーンゲームです。
実在するプロのサッカー選手のトレーディングカードを集め、自分だけのオリジナルチームを作っていきます。これは現実世界とリンクしているところが見所で、現実世界の選手の成果・評価などによってスコアが決まります。成績が上位に上がるとイーサリアムやレアカードといった賞品も送られるのでサッカーファンの間で大変賑わっています。
現在は、日本のJリーグを含む世界227のクラブ・39のリーグとライセンス契約を結び、世界140ヵ国以上からユーザーを集めているサービスなのです。
最後に
NFTの技術は、これまでなかったものを「ゼロ」から「イチ」に変えるというよりは、むしろこれまでにあったものを発展させ私たちを楽しませてくれます。NFTスポーツのみならず今後の動向から目が離せません!